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嗚呼!!みんなの動物園 嗚呼!!みんなの動物園 2022年7月~22年9月 共通事項 放送時間…土曜19 00~19 56 ネットセールス + ... 共通事項 絨毯の上にカラー表記 固定スポンサー 日本生命 TOPPAN(凸版印刷) DAIHATSU SEKISUI HEIM(セキスイハイム) unicharm ユニ・チャーム 東京海上日動 サカイ引越センター P G 2022年7月9日 後半 0’30”…日本生命(CM=AC JAPAN)、TOPPAN(凸版印刷)、DAIHATSU、SEKISUI HEIM(セキスイハイム)、unicharm ユニ・チャーム、東京海上日動(CM=AC JAPAN)、サカイ引越センター、P G 2022年8月20日 後半 0’30”…サカイ引越センター、P G、日本生命、TOPPAN(凸版印刷)、DAIHATSU、SEKISUI HEIM(セキスイハイム)、unicharm ユニ・チャーム、東京海上日動 @KRY山口放送 + ... 共通事項 画面下部絨毯の上にカラー表記 固定スポンサー 2022年8月20日 前半 秒数不明…株式会社シーザー
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嗚呼!!みんなの動物園 嗚呼!!みんなの動物園 2024年1月~24年3月 共通事項 放送時間…土曜19 00~19 56 ネットセールス + ... 共通事項 全社絨毯の上にカラー表記 固定スポンサー sunrise TOPPAN P G コノコトトモニ 日本生命 unicharm ユニ・チャーム AQURA HOME サカイ引越センター 2024年1月13日 後半 0’30”…sunrise、TOPPAN、P G、コノコトトモニ、日本生命、unicharm ユニ・チャーム、AQURA HOME、サカイ引越センター 2024年1月27日 後半 0’30”…P G、コノコトトモニ、sunrise、TOPPAN、AQURA HOME、サカイ引越センター、日本生命、unicharm ユニ・チャーム 2024年2月10日 後半 0’30”…日本生命、unicharm ユニ・チャーム、AQURA HOME、サカイ引越センター、sunrise、TOPPAN、P G、コノコトトモニ 2024年3月2日 後半 0’30”…サカイ引越センター、日本生命、unicharm ユニ・チャーム、AQURA HOME、TOPPAN、sunrise、コノコトトモニ、P G 2024年3月23日 後半 0’30”…P G、コノコトトモニ、sunrise、TOPPAN、AQURA HOME、サカイ引越センター、日本生命、unicharm ユニ・チャーム
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嗚呼!!みんなの動物園 嗚呼!!みんなの動物園 2023年10月~23年12月 共通事項 放送時間…土曜19 00~19 56 ネットセールス + ... 共通事項 全社絨毯の上にカラー表記 固定スポンサー TOPPAN sunrise コノコトトモニ P G サカイ引越センター 日本生命 unicharm ユニ・チャーム AQURA HOME 2023年10月7日 後半 0’30”…TOPPAN、sunrise、コノコトトモニ、P G、サカイ引越センター、日本生命、unicharm ユニ・チャーム、AQURA HOME 2023年10月28日 後半 0’30”…AQURA HOME、サカイ引越センター、日本生命、unicharm ユニ・チャーム、P G、コノコトトモニ、sunrise、TOPPAN 2023年11月11日 後半 0’30”…sunrise、TOPPAN、P G、コノコトトモニ、日本生命、unicharm ユニ・チャーム、AQURA HOME、サカイ引越センター 2023年11月25日 後半 0’30”…P G、コノコトトモニ、sunrise、TOPPAN、AQURA HOME、サカイ引越センター、日本生命、unicharm ユニ・チャーム
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1.『嗚呼、我ら地球防衛軍』とISクロス 2.IS学園へ『転入』 a.地球防衛軍『マスラヲ』 by earthさま ――嗚呼、我ら地球防衛軍 支援SS――「島の休日」 by ひゅうがさま
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中野希の話 青春の終わり、それは高校の三年間と世間一般では評されている。 今の私・・中野 希にはその意味がよくわからないのだが、時間がたつにつれその意味もだんだんとわかってくるのかもしれない。 思えば私の高校生活は、2年生になるまでは平凡でどこにでもある普通の学生生活を送っており、このまま何事もなく進学して大学を卒業し就職・・そして好きな人と結婚して終えるのかとばかり思ってきたものだと信じ込んでいた。 そんな淡い期待は高校二年生の二学期が始まったぐらいの時期でガラスのように簡単にぶち壊しとなってしまう。 いつもとは違ってやけに真剣な顔をした両親から生涯に残るであろう衝撃の事実を伝えられた。 「う、嘘・・ママが女体化?」 「ああ・・俺は女体化している人間だ」 淡々と伝えられる言葉に私はただただ聞くしかできなかった。 それから両親から伝えられる言葉は私にとって信じられないことの連続だった。 ママが女になる前は孤独一辺倒で地元では手がつけられないほどの不良でその親父がママとは敵対関係にあり、女体化するまでは孤独で過ごしてきたという。 今とは正反対なママの過去に衝撃を受けたのも事実なのだが、一番のショックだったのはあのママが今は完全に撲滅されている女体化シンドノームの患者だと言う事実が私の心に大きな打撃を与えた。 女体化シンドノームとは昔あった病気で性交渉の経験がない男子が15、16歳の誕生日を迎えると男から女になってしまうと言う奇妙としか言えない病気で、私が生まれる前は世界中どこもかしこもこの病気で大騒ぎになっており、この病気をなくすために国家がらみで研究と女体化に対する法整備が早急に進められたと学校で習ったことがある。 女体化による自殺も増え始めて一種の社会問題まで発展し、人類の総力をかけて女体化は60年近くの気の遠い長い年月を経てようやく特効薬と言う存在が出来上がり撲滅された。 そのとき私はまだ生後間もない赤ん坊であったため女体化という言葉はこの世に消滅してしまったのだ。 それから私はすくすくと育ちながらも成長を重ねるにつれ、過去にあった女体化の出来事も学校では教えられてきたのだが、すでになくなっている病だったので余り実感が持てず、自分の両親は女体化なんて経験していないとつい前までは当たり前だと思っていたのだ。 それだけに両親から女体化の事実を聞かされたときはショックが大きく軽い絶望感を覚えたほどだ・・ (あの時はショックだったな。でもママはたとえ女体化しても私の母親だってことは変わりはないってことに気がつくのは時間が掛かったもんな・・) あれから丸一年・・ママたちから衝撃の事実を聞いたときはそれを受け止めるのにかなりの時間を要し、 私に無間地獄のような自問自答の日々が続き今までの生活が全くの嘘だったのかと思えてくる。 そもそも男から女になると言う自然の定理から外れた病の存在を出来事を信じろと言うのが無理なもので自分の周りがよく見えないものだった。 それでも昔からの幼馴染のなーくんやその両親であるブーンおじさん夫妻・・そしてとある人物の進言で今の両親との思い出は変わらないという決断に見出すことができた。 「・・さっ、昔のことばかり思い出しても仕方ないし朝食でも作ろうかな」 いつものように早く起きれたので軽く髪を整えてセットすると部屋から台所へと向い、まだ家族全員が寝静まっているのを確認すると、そのまま台所にあった有り合わせの材料を使って朝食の準備を始める。 いつもはママが朝早く起きて朝食の準備をするのだが、こうやって私が早く起きたときは家族全員分の朝食を作るのだ。 小学校の6年生辺りにママから料理を教わって以来、料理のデパートリーも増えに増えて今では時々家族に立派な夕食を振舞うことができるぐらいまで上達振りだ。 これも日ごろの鍛錬の成果と言うべきやつだろう。 (そういえば昔からママとは真剣な勝負事で勝ったことがなかったな・・) 思えばママとは勝負事で勝ったことは一度もなく、家事や運動のために続けている合気道だって全部ママの直伝で一度もママを超えたことがなく偉大なる母親に尊敬しつつもちょっとした嫉妬感が湧きつつある。 親父のほうもママとは同い年で、2人とも40を越しているのに実年齢よりも若く見えるのだが、親父のほうはよくて十代ぐらいだがママの方は30代は当たり前、下手をすれば20代・・いや私と同じぐらいまで見えてしまうぐらいで それに応じているかのようにスタイルのほうだってまだ実年齢を黙っていれば平気でモデルができるぐらいまでの若々しさを保っている。 女体化を経験した女性は普通の女性よりも細胞が活性化して若々しさを保つことができるらしいけど、明らかにママの場合はその上限を遥かに超えている。 女体化という病はママに合っていたのかもしれない・・ 「・・あれ、希起きてたのか?」 「あ、もうちょっとでご飯できるから待ってて」 噂をすれば何とやらか、ご飯ができる直前に現れたのは私の偉大なる母親・・相良 聖だ。今は性を変えて中野性なのだが、今でも過去からママをよく知っている人物からは旧姓で呼ばれることが多いし、本人も旧姓のほうの呼び名も気に入っているようだ。 それにきりっとした姿はなんとも母親と言う立派な感じだが本人からしてみればこれが普通らしい。 その姿を見るとちょっとだけママの若さの秘密がわかったような気がしてくる。 作ったご飯を3人分テーブルに並べるとそのままママと一緒に朝食をとりながら軽く雑談を交えることも忘れない。 「親父は?」 「まだ寝てる。折角の日曜だってのにふ抜けた奴だ・・」 「日曜だからこそ休ませてあげようよ。親父だってただえさえ出世して忙しいんだからさ」 「出世しようがしなかろうが俺にとってはどうでもいいんだよ」 親父はママと一緒の性格だけどママとは違って頭のほうはかなり良く、ママも学生時代にはよく親父に家庭教師をしてもらいながら勉強をしていたらしい。 私が産まれてすぐに会社で就職するとすぐに親父はその頭角をめきめき現し、出世に出世を重ねて今では会社の部長まで昇進している。 それにしてもあの親父がここまで出世を重ねるとは驚きものだが、それだけ親父が人から評価されていると言うことだろう。 「・・さて、後は俺がやっておくからお前はどっか遊んでおけ」 「え、でも・・」 「実の子に家事やらせたら母親としての俺の立場がねぇよ」 いつまでも元気でいるわけではないのに今までのように家事をこなすママがどこか羨ましく感じた。 ママに追い返された私は膨大な時間をどう潰すか悩んでいた。 学校の宿題はもう終わらせたし勉強のほうも今日の分だけ終わらせてしまったので、どうもこう暇だと辛いものだ。 ベッドに寝転がると少しばかり頭をボーっとさせながらこれからやるべきことを決める。 「暇を潰せるのはあそこしかないか・・最近運動不足だし」 私が運動するための場所・・軽く準備をして家を出て私は目的の場所へと向かう。 その場所はこの家からは歩くに少し距離があるのだが、最近は勉強ばかりで運動不足な感じだったのでちょうどいいぐらいだ。 学校の体育はそれなりの運動もするのだが、あれだけでは全然足りないし、まだまだ十分すぎるほどの余力が残ってかえって嫌な気分になってしまう。 部活に入る手も考えられるのだが・・余り時間も割きたくないし今は受験の影響もあってか勉強が中心になってしまうので日ごろの運動量が少なく感じる。 その点に関しては、格闘技と言うものは溜まりに溜まった運動量が一気に消化できるので、そういった意味では便利なものだ。 (思えばママから合気道を習って正解だったな) 合気道と言うのは相手の力を利用して戦うもので、女性でも気軽にできる格闘技で、中学生の頃にはストーカーまがいのしつこい奴らを叩きのめすのに大いに貢献してもらっている。 だけどもそれらを習得するには決して生易しいわけではなく、毎日の鍛錬の積み重ねで習得できるものだ。 ママも合気道を始めたきっかけは割りと単純なもので、女体化して半減した力を補うために始めたというのだから、なんともママらしい理由だ。 私が合気道を始めたきっかけはほんの些細なもので、小さい頃からママと一緒に毎日連れられて以来、大人数の門下生たちを軽々となぎ倒していくママの姿を見ると必然に憧れを抱いてしまって、年少か年中あたりの頃から初めて以来、ママの指導の下でだんだんと上達して気がつけば中学生の頃になったら道場主のブーンおじさんとドクオおじさん2人を倒してしまうぐらい成長してしまったものだ。 それからママだけがなっている裏師範代というものになりつつあるらしいのだが、どうもその立場があまり掴めないもので何が裏なのかよくわからないものだ。 と、そうこう考えているうちに道場へと着いてしまった。 運動不足で余り合気道をやっていないから、今までのカンを取り戻すのに少し時間は掛かるかもしれないが、少しずつ練習をして取り戻していけばいいだろう。 「さ、ブランクが大きいからね・・まずはなーくん相手でウォームアップしましょ」 「えっ・・?」 「だっていきなりママみたいに連戦は辛いわよ。 だから最初になーくんと模範試合を繰り返しながら昔の感覚に慣れていくのがちょうどいいのよ」 道場に入って道着に着替えながら私はゆっくりと深呼吸していく。 そして今私の目の前にいるのが、現道場主の一人であるブーンおじさんの息子で私の幼馴染で一応彼氏でもあるなーくんだ。 下の名前も一応あるのだが、昔から苗字のほうの呼び名でなーくんなーくんと呼んでいたため、自然に私の中でその名前が定着してしまったのだ。 一応彼も道場の中ではそこそこ強いほうの部類に入るのだが、私から見ればまだまだだと思う。 さてウォームアップを兼ねながら体をほぐしていくことにしよう。 深呼吸をしながら私は目の前にいるなーくんを真剣な表情で見据え、いつもの一声発する。 「じゃ、いつものようにかかってきてちょうだい。私は一切なーくんには手出ししないわ」 「で、でも・・」 「いいからさっさと来なさい!! ・・じゃないと別れるよ」 「わ、わかった!! ・・行くぞ!!!」 おどおどするのは父親似と言った所か・・・ そういえば、なーくんのお母さんであるツンおばさんもこの点については少し苦笑気味にママや私に不満を漏らしていたような気がする。 それでも私の脅し文句が効いてきたのか、なーくんはそのまま私のほうへと向かって襲い掛かろうとする。 それを察知した私は即座になーくんの腕を取ると、脚を引っ掛けて体のバランスを崩すとそのままなーくんの力を反転させて瞬時にその体を投げ飛ばす。 傍から見れば大柄な体系のなーくんが、いとも簡単に華奢な女の子に吹き飛ばされていた姿が映っていたわけだ。 でもこんなのは合気道をやっていれば極当たり前のことであって、ママなんかは自分よりも倍以上の背丈の大男の集団を触れられることもなく糸も簡単に倒してしまうらしい。 「・・さて、次行くわよ」 「勘弁してくれ・・」 この後もなーくん相手にウォームアップをしてだんだん勘を取り戻していきながら、普段とは比較にならない運動量を消化していき、数日間溜まっていた運動不足が一気に解消される心地よさは気持ちいと言う言葉に他ならないだろう。 その後も数分間にわたるなーくんとのウゥームアップのおかげで、私の体は完璧に昔の勘を取り戻し臨戦態勢もばっちりと取れるようになってきている。 私との度重なるウォームアップのおかげで、既に床に伸びているなーくんを尻目に私はいつものように道場の門下生全員を相手にしようと思ったのだが・・・ 来るときはあれだけ活気のあった門下生の姿が見当たらず道場はシーンと静まり返っていた。 不思議に思った私はふと周りを見てみると、道場の隅々でなぎ倒されているたくさんの門下生の姿があった。 「痛ッッ・・ってあれ? なんなこの光景は!!」 「よくわからないけど道場の皆が倒されている・・・ 私たちが別の場所でウォームアップしている間に道場で何かあったのよ」 門下生たちの屍を掻き分けながら私たちは道場のほうへと進むと、そこには一人の女性とブーンおじさんとドクオおじさんが対峙しており、その女性の姿を見たときに私は事のすべてを悟った。 「親父とドクオさんと対峙しているあの人って確か・・?」 「なーくんも昔からご存知、私のママよ。大体事の顛末がわかってきたわ・・」 2人のおじさんたちと対峙している若い女性・・・ かつて私が生まれる前に進行した病、女体化シンドノームの感染者であり、男のときは血に飢えた狂犬と呼ばれ、地元では誰もが知る名の通った有名な不良・・相良 聖その人であった。 私たちの姿に気がついたママはそのまま手を振りながら今朝と同じような調子でいつもの笑顔で応対してくれるのだが・・私はどこか複雑な感じなのはなんでだろうか? 「よぉ、希にボンクラ息子! 相変わらず練習はサボってないようだな」 「・・いつ来たの?」 「お前らが別の部屋で練習し始めてたときかな。練習のつもりでここにいる奴ら全員を相手してたんだが・・・ はっきり言ってこいつらは弱すぎる!!」 歳をとっても相変わらず元気なママに関心してしまう。 見た目からしてもまだ20代そこそこに見えてしまうママを見てると、女体化という病気は本当に奇妙なものだったのだろうと思い想像を禁じえない。 そんなママと対峙している2人のおじさんのうちドクオおじさんがママに反論を試みる。 「あのなぁ・・こいつらが弱すぎるんじゃなくてお前が強すぎるんだよ。 大体、お前は昔からこれでもかと言うぐらいに強くなるから俺たちでは太刀打ちできねぇよ」 「そんなの知らねぇな!! 大体、普段忙しい内藤はともかくとしてドクオは時間持て余してるんなら、ここの道場主らしくちょっとはこいつらの指導しておけ!!!」 「うっ・・!! た、たしかに俺の会社は給料の割には仕事もそこまできつくないし暇も持て余しているが・・ 俺にだって多少は自分の時間ぐらいは・・」 「そんなこと考えているからお前は弱いんだよ!! お前たちは人並みよりかは強いかもしれないが俺からみれば大したことはねぇ!!!! ・・さて、御託はこれぐらいにして試合のほうを始めるか」 いつものように一方的に言うだけ言ってさっさと構えを取るママを見てると、子供とはしてはその心境はとても複雑だ。 そもそもママを言いくるめようとすること自体無意味に近い、だけどもママをよく知る人物たちは私を産んでからは随分と穏やかになったと言うけども、どこがどのようにして穏やかになったのかはいまいちよくわからない。 親父によると、こんなママでも完全に言いくるめられる人物が存在するらしく、昔は暴走したときにはよくその人に言いくるめられていたらしい。 意外にも私とも小さいころに会っているらしいのだが、何せ幼い頃の記憶なんておぼろげなのでよくわからない。 だけどもその人物はきっとママよりもものすごい人物なのだろうと考えられる・・ そんなことを考えている合間に仕合は始まりを告げていたようだ。 「さ、お前ら!! 道場主ならちょっとは俺を苦戦させてみろよ」 そこからはほんの一瞬の出来事だった。 手始めにママは女性とは思えぬ物凄いスピードで2人のほうに向かうと、一瞬でドクオおじさんの裾を掴み、そのまま一本を決める。 それに驚きつつも構えを取り直したブーンおじさんは、果敢にママに立ち向かっていくが、ママはそれを糸も簡単にかわすとそのままブーンおじさんの腕を取り、脚を引っ掛けて体のバランスを崩して力を反転させると、ブーンおじさんの体はそのまま地面に倒れこむ。 ウォームアップでなーくんを倒した時と同じ再現だったのだが、私と違うところはスピードが段違いにママのほうが速かった。 いとも簡単にここの道場主を倒したママは笑みを浮かべながらこう一言。 「てめぇら、こんなことじゃこの道場もお終いだな。昔、お前らが必死になってジジィを倒したのはいい思い出だがな・・」 圧倒的ともいうべき力の差を見せ付けたママはそのまま2人を後にして、今度は私たちのほうへ向かって驚くべきことを言い放つ。 「さて、こいつらとの仕合で体も暖まったところで・・希!! 俺の相手をしろ」 「えっ・・」 突然ママに指名させられどのように反応していいのかわからないものだ。 確かになーくんとのウォームアップを終えて体の感覚が完璧に戻った私ではあるのだが、いきなりママの相手を勤められるはずもなく正直言って困惑してしまう。 それに今までにもママの相手をしたことはあったのだが、一度もママには勝てたことがなく、最初は互いに互角で一進一退の状態が続くのだけども、最後の最後でいつも手痛い一撃を浴びせられて負けてしまうのだ。 思えばママは私とは同じ女性とは思えぬ桁外れの体力を持っている。 そのことに私は常々感心しつつも、スポーツと言う土俵を考えるとかなりやりにくさを感じてしまう。 かといってこのまま諦めると言う言葉などは私の中の辞書には存在しないわけで、たとえ相手が一度も勝てたことのないママだとしても絶対に引けをとるわけには行かない。 そう決心した私は、隣で驚愕の顔を浮かべているなーくんを差し置いてママのほうへとゆっくりと歩みを進める。 (思えばこれを始めたきっかけって・・よく幼稚園の帰りとかに毎日一緒にこの道場に連れて行って貰って、ママの練習を見てかっこいいと思ったから始めたんだっけ・・ 道場に入ったときからよくママからかなりの稽古をつけてもらって、気がついたらここの道場主でもあるブーンおじさんとドクオおじさんを倒すまでに成長したんだっけかな・・) つい昔のことを思い出しつつも私は歩くのを止め、目の前にいるママのほうへと顔を向けると、そのままゆっくりと深呼吸をする。 親に打ち勝つ最後のチャンス・・そう考えると自ずと気が引き締まるもので、より真剣になりながら私はゆっくりと目を開けてママの瞳を見つめる。 「・・今まで勝負事に関してはママに勝ったことなど一度もなかった。 でもいつまでもママの背中を追い続けるのも今日で最後にしたい。 真剣勝負をしてママに打ち勝つことで私は今までの自分を越えてさらに前に進んでみせる。 だから・・本気でいくよ!!」 「それでこそ俺たちの娘だ。・・遠慮はいらねぇ、来い!!!」 ママの一声で仕合は始まり、それと同時に私の青春を終焉させる謳歌が風と共に流れてきたのを、私は静かに感じているのであった・・ fin-
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嗚呼。それにしても酒が欲しい…… ◆AZWNjKqIBQ 振るう暴力を裁きの雷と言い放ち、自身を神と名乗る傲岸不遜な男――ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ。 狂王の実験場に落とされて間もなく一つの命を奪い、月の出る夜空に哄笑を響き渡らせる。 そのけたたましい笑い声にか、それとも彼の足下に転がる死体から広がる異臭のせいか、 そこに一人の男が近づいて来ていた。 簡素な着物に赤いスカーフを纏った長身の東洋人。 片方の手にバックを提げ、もう片方の手には水筒を吊ってゆっくりと道を歩いてくる。 様は静かであったが、その細い瞳に映るは剣呑な揺らめき。 その男の名は戴宗。国際警察機構、最強の九大天王が一人――神行太保・戴宗。 自分に酔っていたムスカも、影の中から月明かりの元へと踏み出されればその男に気付く。 「……なんだ東洋人か。私の世界には必要ないな。ここから帰り次第国ごと滅ぼしてやろう」 無礼で挑発的な発言。だが、戴宗はそんな相手の不遜な態度を無視して静かに問うた。 「こいつをやったのはお前さんかい?」 戴宗が指す「こいつ」とは、勿論彼の眼前に横たわる黒焦げた遺体のこと。 細い目が見つめる先には、まだ若かったであろうと思われる小柄な亡骸が薄煙を上げている。 「神に逆らった愚か者の末路だよ」 にへらと笑いながら答えるムスカの眼には、狂気と自信が満ち溢れ爛と輝いている。 一方、そんな彼へと向けられる戴宗の眼は至って静。 ――何時何時此の身が如何なろうと、何処で死のうと誰も悲しまない。だから、如何な任務にも耐えられる。 戴宗が仲間に繰り返し聞かせた言葉であり、また彼自身にとっての矜持でもあり覚悟。 彼は今までこの言葉の通りに生きて来たし、これからもそうであることは変わりはない。 命はすでに国際警察機構に預けた身。例え、死を賭せと命じられても迷いなく殉じる覚悟が彼にはある。 が、しかし! 眼前に横たわる少年はそうではなかったはずだ。いや、ここにいる誰もが! 訳も解らぬままに見知らぬ場所に落とし込み、素性も知らぬ同士を殺し合わせるあの男――螺旋王。 奴も勿論許す事ない大悪。いずれは落とし前ををつけさせなければならぬ! して、目の前の男。神と嘯き、自分勝手な都合で年少の者をいとも容易く殺めたこいつ。 混乱する機に乗じ、跳梁跋扈して己が勝手な願いを達成せんと無辜の者を襲うこいつ。 こんな奴を何と言う? 簡単明瞭! たった一言――外道と言う。 ◆ ◆ ◆ 戴宗は片手に提げたバックを落とす。 続いてもう片手に持った虎柄の水筒から一口取って喉を鳴らすと、それも地面に落とす。 そして、空いた両手を握り締め、ゴキリを音を鳴らすと一歩前へと足を踏み出した。 「このラピュタ神に素手で挑もうというのかね?」 対するムスカは、眼前に迫る相手の心の内に秘めたものが読めぬのか余裕綽々。 相対する者の返事を待たずして手を突き出し、稲妻を走らせた。 ドンッ、と響く音とともに身動き一つ取らなかった戴宗の身体に薄煙が上がる――が、それだけだ。 神を名乗る男はこの時初めて目を見開き、意も介せぬように歩みを止めぬ相手にたじろいだ。 戴宗が一歩前に出れば、一歩下がる。もう一歩前に出れば、もう一歩下がる。 神の雷が通じない。何故か――と、ムスカは困惑する。だが真実はそうではない。 雷だからこそ通じないのだ。 国際警察九大天王。その末席に身を置く神行太保・戴宗。またの名を――『人間発電機』 ピタリと足を止め次いで突き出された戴宗の拳が、ブンという羽虫の様な音と共に薄い光を纏う。 その原理はムスカが背負うエレキテル――電磁誘導装置、それと同じ。 異なる点を挙げるならば、 エレキテルの方はあくまで誘導装置であって蓄電はできても、それ自体では発電することができぬと言うこと。 そして逆に、戴宗の有する特異な能力はその名の通り自らの身体で以って電気を起こす事ができる。 その発電量。例えば目の前の総合病院。それが使用に必要とする量を賄うことも容易い。 戴宗の全身を駆け巡る電流は身体の中で螺旋を描き、強力な電磁力を発生させる。 そして、エレキテル同様に大気を操り戴宗は拳の先に電磁場によって作り上げた気の拳を纏う。 これが人間発電機と呼ばれる戴宗の力。名づけて――噴射拳。 彼は内に巡る膨大な電力を雷として発するのではなく、己が身体を武器とするために操る。 九大天王の中でも単純戦闘に特化した能力で、末席と言えど、こと単一同士の格闘戦となれば一、二位を争う。 仇敵であるBF団の十傑集においても、彼と格闘戦を演じられるのは衝撃のアルベルトのみと言われるぐらいだ。 その有形無形の圧力に、戴宗と対峙するムスカの頬に冷や汗が垂れる。 しかし、彼もまた伊達に神を名乗る男ではない。 一度効かぬなら二度目を。二度目も効かぬなら三度目をと、再び稲妻を空中に奔らせた――が! 彼の目の前で、戴宗が姿を消した。 放たれた稲妻は虚しく宙に霧散し残光だけを残す。 サングラスをかけているので、閃光に視力を奪われたなどということはない。しかし、見失った。 戴宗は何処に? 霞と消えたか。いや、彼はムスカの背後に立っていた――。 戴宗は常に人間発電機と呼ばれはしない。彼を呼ぶものは皆こう呼ぶ――神行太保、と。 神行法。それが今の一瞬の種明かし。 強力な電磁の力を脚へと転じればその脚力は常軌を逸し、駆ける速さは音の速さにも達する。 先に拳へと発した様に、気を足元に置けばその歩み神をも目を見張る。故に神行法。 この能力こそ、文字通り彼の右に立つ者は居ない。故に彼は呼ばれる――神行太保・戴宗、と。 彼がそれに気付くよりも疾く戴宗は拳を突き出し、ムスカに衝撃の一撃を見舞った。 神の鉄槌ならぬ、義憤の鉄拳。喰らったムスカはアスファルトの路上を何度も転がる。 次いで倒れた者を鞭打つように降り注ぐのは、爆散したエレキテルの残骸だ。 車に跳ねられた様な衝撃に、指一本動かせなかったムスカではあったが この期に及んでなお彼の傲慢な姿勢は変わらず、あくまで不敵。その態度は崩さなかった。 「……き、貴様。神に向かって拳を振るうとはこの身の程しらず、め。報いを、受けるぞ」 対する戴宗は一つ嘆息すると、その手をムスカの額へと伸ばす。 「お前さんには、ちぃと眠ってて貰うぜ」 瞬間、電流が戴宗よりムスカへと流れ出し、その衝撃が不敵なムスカの意識を奪った。 「……やーれやれ、だ」 そう一人ごちると、戴宗は気絶したムスカと小さな遺体を抱え上げ目の前の病院へと入り込んだ。 ◆ ◆ ◆ 冷たいコンクリートの床の上。狭くて暗い物置の中にムスカの身体を横たえると 戴宗は彼が持っていた荷物の検分を始めた。 すでに死んでいた少年――エドの遺体はここではなく霊安室へと預けてきている。 そして、外道であるムスカの命を奪わないのは、何も情けからという訳ではない。 いるかどうかは知れぬが、あの少年の身内や仲間がここにいるやも知れない。 ならば、仇は譲るべきだと……そう考えた結果であった。そして、いなければその時こそ自分が討てばよい、とも。 「なんだこりゃあ……」 まず鞄に手を差し込んで最初に出てきたのが、大量のチョコレートだった。 確かにチョコレートはエネルギー豊富で、この様な状況ならばありがたいものかも知れなかった。 だが、大酒呑みの戴宗はどちらかと言えば辛党で、甘いものは好みではない。 「酒でも出てくりゃあ、ありがたいんだがなぁ……」 とは言いながらも、一つ包みを剥がしては口に放り込む。 世界最強候補の一人である戴宗ではあったが、ここに来てより何やら調子が悪い。 腹が減っているわけでもないというのなら、やはり酒抜きのせいかと戴宗は考える。 よもや何らかの術のせいかも知れぬが、そうなると戴宗には手が出ない。戴宗は根っからの武闘派だ。 「……言ってみるもんだな」 と、戴宗がバックから抜き出した手には一本の洋酒の瓶が握られていた。しかし――、 「空っぽかよぉ……」 残念ながら、もうすでに封は開けられており、中身も失われた後だった。 戴宗は他にもないかとバックを漁るがもう出てこず、空になった瓶を逆さに振るも一滴も酒は垂れてこない。 漏れてくるのは僅かに臭う山葡萄の香りのみ……。 「……未練だぜ」 考えれば、あの男はこの酒を飲んでいたのか。しかし、あのような妄言が飛び出すとはどんな悪酔いか。 どうせ碌なものではない――そう考えを切り替え、戴宗は酒瓶への未練を払う。 一通り検め終わると戴宗は曲げていた膝を伸ばし立ち上がる。 その手にはチャラチャラと音を立てる細長い投げナイフが幾本も握られていおり、 「こいつは没収……」という訳で戴宗のバックの方へと収められた。 戴宗は物置部屋を出る際に、床に投げ出されたムスカの方を見やる。 ピクリともしない。死には至らないが相当の電流を流し込まれている。 戴宗の見立てでは、気を取り戻すのに半日。それから身体を動かせるまでにもう半日。そういう按配だ。 それでも、一応と扉に安物の鍵を掛けて戴宗はその場を離れた。 「衝撃の旦那に、十傑集がもう一人。それなのに、こちらときたら俺一人かぁ……」 その上、まだまだ未知の存在が多数いるという……。最初に出会った男が男だっただけに気は滅入る。 せめて一清でもいれば釣合いが取れるのに、と考えても詮無き事。 「……まずは、酒だな」 暗澹たる思いを胸に、戴宗は病院を出て月夜の下を一人歩いていった。 【D-6/総合病院近く/1日目-深夜】 【神行太保・戴宗@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】 [状態]:若干の疲労 [装備]: [道具]:デイバッグ、支給品一式(食料-[握り飯、3日分][虎柄の水筒(烏龍茶)]) アサシンナイフ@さよなら絶望先生×11本 戴宗に支給された何か(1~3つ)※戴宗は確認しています [思考]: 基本:不義は見逃さず。悪は成敗する 1.どこかで酒を調達したい 2.死んでいた少年の身内や仲間を探す 3.半日ごとぐらいにムスカの様子を見に病院へと戻る 最終:螺旋王ロージェノムを打倒し、元の世界へと帰還する ※登場時期は、アニメの1話開始直前です ◆ ◆ ◆ パタン……と、薄い扉が閉まる音がしてからしばらくのこと。 戴宗に痛めつけられ、ピクリとも動けなかったはずの男が弱々しいながらも身体を起こした。 「よ、よくも……あいつめ。私は神なんだ、ぞ」 サングラスの位置を直すと、男――ムスカは彼を痛めつけた東洋人が去った扉を睨み付ける。 「……しかし、幸運の女神はまだ私を見放してはいないようだ」 何故、ムスカが戴宗の鉄拳や電撃を受けたにも関わらず、こうも早く回復できたのか? 鉄拳の一撃は元よりそれ程の威力は込められてなかった。戴宗の目的はあくまで武器を奪う事だったからだ。 しかし、次の電撃はそうではない。殺しはしないまでもそう簡単には回復できないだけの量を戴宗は込めた。 ムスカは自信の両の手の平を見つめる。エレキテルの力ではあるが、何度かここから雷を放ったのだ。 その雷――何故、ダメージになるのか? 答えは簡単。電気抵抗がそこに熱を生み出すからだ。 電流が全身を駆け巡ることによって発生する熱。それによって、一人の少年は命を失った。 そしてその雷を放ったムスカは、エレキテルのもたらす二次作用として電流に対する抵抗が少ない体質へと 変質していたのだった。 それは、エレキテルを装備し全身に電気を纏う者に対する、エレキテル装置そのものの電磁ガード。 その不可視のフェイルセイフが、あの時エレキテルが破壊された直後も身体に少し残っていたのだ。 結果、ムスカの身体を駆け巡った電流は地に拡散し、戴宗の意図したものよりもはるかに少ないものとなった。 何度か手を握り身体が動く事を確認すると、ムスカはズボンの裾に手を伸ばして、 隠し持っていた1本の投げナイフを取り出した。 僅かながらに焦げが浮いてはいるが、使用に当たっては問題ない。 「待っていろよ。神への反逆は、神罰を持って迎えられる事を貴様に思い知らせてやる」 そう言うと、ムスカは自分の鞄を背負いなおし、ナイフを片手に扉へと立ち向かった。 【D-6/総合病院・物置部屋の中/1日目/黎明】 【ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ(ムスカ大佐)@天空の城ラピュタ】 [状態]:激しく疲労、背中に打撲 [装備]:アサシンナイフ@さよなら絶望先生 [道具]:デイバック、支給品一式(食料-[大量のチョコレート][紅茶])、葡萄酒の空き瓶 [思考]: 基本:すべての生きとし生ける者に、ラピュタ神の力を見せつける 1.まずは、この部屋より脱出する 2.東洋人(戴宗)に復讐する 3.パズーらに復讐する 最終:最後まで生き残り、ロージェノムに神の怒りを与える ※エドワード・エルリック(@鋼の錬金術師)の遺体は病院の霊安室に移動されました ※エドワード・エルリック(@鋼の錬金術師)の荷物は病院の前の道路上に放置されています 時系列順で読む Back 私がみんなを知っている Next 失ったもの/失いたくないもの 投下順で読む Back ラッド・ルッソは大いに語り大いにバトルロワイヤルを楽しむ Next 紙は舞い降りた 神行太保・戴宗 080 紙視点――そして紙は舞い落ちた 007 ラピュタの雷 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ(ムスカ大佐) 066 蘇れ、ラピュタの神よ
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